イラスト201611
星ガールとか宙(そら)ガールという造語があって、星を見るにもおしゃれ度が意識されるようになりました。なったんだと思います‥私にはあまり縁がないので(ため息)。観測地で曇ったときに展開される、「星オヤジ」間の道具披露会のような状況なら、たっぷりと、イヤになるほど経験してますが(曇られてばかりということか‥)。
 
 

まあその、私は一口に言って偏屈者です。星を見るときは、宇宙はもちろん、風の音や、虫の声、雲の動き、薄明や空の色の移り変わりのようなものに、その時はただひとり向き合いたいと思うのです。

基本的に、星を見る行為は、月夜ではない暗い夜に行われます。
この季節は、ベストアングルを追ってむやみに草地に踏み込んでしまうと、家に戻ったとき、ズボンの裾が小さな草の実だらけになっています。

いずれも雑草としか見られない植物の実です。カギのような細かな毛があったり、べとべとしていたり、しかも潰してしまうと汁が衣服を挽回不能に汚すので、もう二度とあの場所は行くまいと反省しながら、灯りの下でひとつずつ取り除いていると、何やら草たちの必死さを感じ、元はどんな草なのかと気になり始める‥人や生き物への恋しさは、そんな瞬間に確認されるように思います。

で、次の朝は、双眼鏡と星図を、虫眼鏡と図鑑に持ち替えます。
ズボンは‥。ああ夜のヤツは人さまに見せられるファッションではない、と、ここに至って気づくのです。

作者 澤村泰彦(
平塚市博物館

2016.11.1発行しお風掲載

 しお風 神保智子