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秋期特別展「知られざる平塚のロケット開発」はおかげさまで大勢の方に楽しんでいただくことができました。日本の宇宙開発史だけでなく、何かを探求する面白さを感じていただけたのではないでしょうか?

その特別展でにぎわう11月、毎夜、かすかな物音が博物館内の一室でするようになりました。早くも、春の特別展を担当する学芸員が、展示する所蔵資料の写真撮影を始めたのです。

一点一点、繊細な資料を箱から出し、注意深く配置して、ライティングを調整し撮影するので、物音といえば前庭でどんぐりが時折梢から落ちるのと、良い勝負です
博物館は、たくさんの資料(品物)を集めて、保存しています。その資料をじっくり調べ、価値を発見・確認して行くことが専門職員の仕事です。

特別展になると、他館との借用交渉や、段取り、展示図録の執筆編集など、仕事が嵐のようにやってきます。ひとつのうねりがピークになる一方で、新しいうねりがひたひたと始まっているのでした。

春の特別展は、お節句の人形がテーマです。
人文系(歴史や民俗)の博物館資料の魅力のひとつは、その品物の向こうに必ず(過去の)人が存在していることです。

平塚市博のような地域博物館の展示は、吾妻山の菜の花のように一目で「わあ、きれい」と目を喜ばせるものではありません。けれども、品物を通して、たしかに存在した過去の人々と語り合える、そんな時間を過ごせます。

子の成長を願ったひな人形ならきっと、時を隔てた愛情の甘酸っぱさと、春の陽射しのようなぽかぽかした共感を、お届けできるにちがいありません。



作者 澤村泰彦(平塚市博物館

女の子と男の子のお雛さま
~桃と端午の節句人形~
2月25日(土)~5月7日(日) 
平塚市博物館特別展示室(入場無料)
江戸時代から昭和のひな人形、五月人形押絵羽子板、こいのぼり、家紋凧等を展示します。
お問合せ 平塚市博物館 
平塚市浅間町12-41 ☎0463-33-5111

2017.2.1発行地域コミュニケーション紙「しお風」掲載

しお風 神保智子