訴訟概要
「こりゃひどい!坂本町政」と「背任か!坂本町政」というちらしで二宮町のおかしな土地取引について問題提起したことに坂本町長が平成26年の6月、9月の議会本会議上で、名指しで「でたらめ」、「怪文書」、「柴崎は雇われている」、「神保敏男が首謀者」などの発言を行い、ケーブルテレビ放映、会議録公開し、耐え難い程の屈辱感や精神的苦痛を与えられたとし、二宮町に対して住民の神保敏男と柴崎茂が損害賠償を請求しました。

裁判イラスト
判決要約
◇原告両名にそれぞれ66万円と平成26年9月16日から支払い済みまで年5分の割合の賠償金を被告の二宮町が支払え。

◇訴訟費用の2割は被告の二宮町が支払え。

判決理由ダイジェスト
◇前町長の発言が真実だとする被告二宮町の抗弁には理由がない。
「でたらめ」について
原告柴崎が被告二宮町の情報公開制度を利用して公開された文書に掲載された事実を記載したものであること、これをもとに百合が丘プール跡地を巡る被告二宮町の一連の行為における疑問点や問題と考えられる点を指摘したものであることからすれば、「でたらめ」すなわち、いいかげんで筋の通らないことやでまかせであるとは認められない。

坂本前町長が間違っているとする根拠は二宮町職員が間違えたことをするはずがないということにあり、改めて調査したこともない旨を証言していることに照らすと、でたらめであると信じたことにつき相当な理由があるともいえない。

「怪文書」について
本件4件の土地取引事例について批判的な内容であることは否定できないが、情報公開制度を使って調べた事実を踏まえて、町政に対して問題提起を行っているものであり、これらの問題提起に沿う証拠が本件訴訟で提出されている。根拠に基づいた問題提起を行っている文書であるから、「怪文書」すなわち無責任で中傷的な文書であると認めることは困難である。

「首謀者」等について
原告神保が中心的に計画した「首謀者」であり、原告柴崎を雇っていたかという点について、坂本前町長は原告らが発言していた旨の陳述ないし証言をするが、直接発言を聞いたものではないうえ、誰から聞いたか覚えていない、または名前は言うことはできない等と曖昧な証言をしており、その信用性に疑問があること、他に的確な証拠はないことからすれば、真実であるとは認めるに足りない。

そして、本件4件の土地取引事例について自ら調査をしたわけではないが、職員がやっていることだから正しいとしていることをふまえると怪文書と信じた相当な理由も証拠もない。

◇前町長の発言が町民からの信頼を回復するための正当防衛とする被告二宮町の抗弁は採用できない。
情報公開制度によって知り得た事実関係をふまえて町政に対する問題提起をしていることから不法行為が成立しているとはいえない。

また町民からの信頼を回復するためには、問題点及び批判点について具体的な根拠を示して反論すべきと考えられるにもかかわらず、坂本前町長の発言は「でたらめ」といった抽象的な反論にとどまっており、必要かつ相当な説明ではないことは明らかである。

◇前町長の発言が原告への名誉棄損として違法行為を構成し、二宮町は賠償の責任を負うというべきである。

◇前町長の発言は名誉棄損の程度が軽いとはいえない。
本件各発言がいずれも二宮町議会においてなされたものであり、地元のケーブルテレビ局で放映され、会議録として公開されていること、また本件各発言において原告らの氏名が明示されていることからすると名誉棄損の程度が軽いとはいえない。

しかし、各発言は抽象的な態様での事実にとどまっていること、また現実的な不利益を被ったかについてあきらかではないことを考慮すると、原告らの慰謝料額を各60万円とするのが相当である。また、名誉棄損と相当因果関係のある弁護士費用を各6万円とするのが相当である。

問題提起したちらしで取り上げた事例と問題点
ちらし
「こりゃひどい!坂本町政」はこちら
「背任か!坂本町政」は
こちら

前町長を証人尋問
前町長の驚愕の証言はこちら

判決からわかる前町長、行政、議会の問題点
問題点1
事実を記載した問題提起文書を「でたらめ」と根拠なく議会本会議場で発言した坂本前町長。

問題点2
根拠に基づいた問題提起文書を「怪文書」として扱った坂本前町長。

問題点3
町長の立場にありながら信用性に疑問で的確な証拠もなく、住民神保敏男らの名誉を棄損する発言をした坂本前町長。

問題点4
事実関係をふまえた問題提起を調査もせず、職員がしたことは正しいとする行政運営の馴れ合い。

問題点5
問題提起に具体的な根拠を示して反論せずに、問題提起自体を不法行為扱いする行政。

問題点6
議会本会議場で名指しの名誉棄損発言がなされ、その後もずっと対応をしないままにした行政と議会。

 しお風 神保智子