太古、生物は、海水中に溶けた「鉄」を取り込み酸素を有効活用する仕組みを獲得することで、飛躍的な進化を遂げました。酸素を使わない嫌気性呼吸に比べ、酸素を使うことで20倍近い量のエネルギーを生み出すことが可能になりました。私たちが今あるのは「鉄」のおかげとも言えるでしょう。

さて、日本女性の10人に1人が鉄欠乏性貧血といわれています。さらに、一般的な貧血の指標といわれるヘモグロビン値が正常でも体が鉄欠乏状態にある「潜在性鉄欠乏症(隠れ貧血)」が近年問題視されています。酸素が体の隅々まで十分に運ばれないことから、食欲不振や舌炎、息切れ、動悸、倦怠感、神経過敏、注意力散漫、嚥下困難といった様々な不具合が出ます。

鉄は、セロトニンやドーパミンといった脳内ホルモンの生成に欠かせないため、鉄不足により、うつや不安、イライラ、パニック症状といった精神症状の原因となります。

鉄欠乏かどうかをみるにあたり、ヘモグロビンだけでなく、フェリチン(貯蔵鉄)や血清鉄、MCVといった指標をみる必要があります。出産後や生理のある女性は基本的に鉄が不足しています。性別問わず、成長期のお子さん、アスリートも不足しがち。

思い当たる症状があればまず鉄補給。食事から取り辛い場合はサプリメントもオススメです。


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2018年8月10日発行地域コミュニケーション紙「しお風」から転載
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しお風 神保智子