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積乱雲、夕立そして虹、ああ夏‥(余韻)ですね。

さて、虹の正体は、太陽の光が水滴の内部で反射したもので、雨粒と陽射しの両方が存在するお天気の中で見られます。夏に目にする機会が多いのは、積乱雲を生み、夕立という急激な天候変化によって雨と晴れが同居しやすい季節だからでしょう。

虹の形は実はほぼ一定で、太陽の正反対の一点を中心に半径がおよそ42度の円を描きます。が、これは理屈上の話。私たちが目にする天然の虹は、雨粒が存在する地上部分のみになりますから、虹が描くアーチはさまざまな形・大きさに映ります。

太陽高度が低い日没や日の出時には、空高く半円形の雄大な虹が現れます。 
反対に、太陽高度 が40度近い時に虹が現れると、虹の弧はてっぺんの平らな部分のみになり、家々の屋根に触れるような水平の虹が見られます。

こんな低い虹に出会ったら、しばらく眺め続けてみましょう。太陽とともに虹の高さも変化するので、例えば午後ならば30分くらいで(虹が消えなければですが)「虹が昇った」とわかることがあります(写真なら数分でも!)

もしも高層ビルやタワーの窓辺で、そんな時間の虹に逢うことができたら、巨大な虹の弧の下の方が、眼下の街まで架かっているのを眺められるかもしれません。

それどころか、太陽が天頂近かったら‥もう私はきっと建物中の廊下を走りめぐり、部屋のドアをたたいて、全方向の虹を窓に探してしまうでしょう。虹のリングの上に立つ自分を、確認するために‥。いや、でも天候条件的にこれは、難しいかな?

2019年8月10日発行地域コミュニケーション紙「しお風」から転載
 このコラムの執筆者は平塚市博物館館長澤村泰彦さん
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「しお風」 神保智子