実は自宅に冷蔵庫を持っていません。驚かれることが多いのですが、インド食を作っていくには不便がないのです。

インドといったら「暑い」と「とても暑い」の二つの季節しかないところとも言われています。そんな土地で数千年に渡って培われてきた美味しく食べる技がインドにはあると思います。
例えば、ギー(澄ましバター)ですが、バターを加熱して水分とタンパク質を取り除くと一月ぐらいもつコクのある油になります。もちろん冷蔵庫に入れる必要はありません。スパイスはドライにしたものばかりですから常温で大丈夫です。

あとは畑の野菜を収穫すれば基本的にインド食ができていきます。時には肉や魚も入れたいものですが、日持ちが悪いのでちょっと贅沢したい時に入手して作るのが自然なことと感じます。インド食は特に南部で野菜料理が多いのですが、気候や風土によるものなのでしょう。

インドの料理といえばカレーにナン。辛い唐辛子に黄色いターメリック、クミンの香りがイメージされるところですが、その土地のもので作っていくとステレオタイプなインド料理からは自然と離れてしまいます。

前回の9月の「畑でインド食」では青摘みかんを使ったメニューでした。果汁で牛乳をチーズにしたり、青摘みかんを炒め煮にしたりとなかなか出会えないメニューに。
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インド食イラスト
参加者からは食べ終わってから「あれ、黄色いカレーがなかったね。でもインドの料理って感じ。」と有難いお言葉を。
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スパイスを使って二宮の美味しさに出会うこと。そこに畑のインド食の面白さがあると思います。
畑でインド食

地域コミュニケーション紙「しお風」97便から転載
執筆者は岡嵜均さん
3年前に「しお風」が開催したwalkwalk地域探検ツアー「湘南の残したい資産、湘南みかんのある暮らし」に参加された岡嵜均さんは、二宮の里山や農のある暮らしに魅了され、二宮町に移住し、農園を開設しようと準備中です。



「しお風」 神保智子